こちら「日本語でケアナビ」開発室

2008年3月のシンポジウムの詳細が決定!

うえだ

「日本語でケアナビ」と私たち

「図書館司書」プロの目と手に感謝

ほぼ毎日かならずといっていいほど、「日本語でケアナビ」スタッフの誰かが訪れる場所、それは関西国際センターの図書館です。

仕事の合間にほっと一息、清潔で静かな空間でゆっくり本を読む・・・・という夢のような話ではありません。そんなことができたらいいのにナ、と思わせるほど魅力的な書物や映像資料を提供してくれている場所なのですが、私たちがお邪魔するのは、あくまでも「日本語でケアナビ」づくりのためです。

よく、「日本語でケアナビ」作りについて、

  • 「どうやってことばを集めたんですか?」
  • 「資料を選んだ基準は何?」

という質問を受けることがあります。

語彙収集で用いた文献や新聞記事については、それぞれ一覧表にまとめて、『看護・介護のための日本語教育支援データベース開発調査報告書』(2006国際交流基金関西国際センター)にありますので、ご覧いただけると思います(近々Webで閲覧可能にしてリンクを貼ります)。それらをどのように選んだかといういきさつも報告書にありますが、一言で言うと、まず身近なものに着手し、それから順々に芋づる式に資料を集めていったということに尽きます。

「そんなにたくさん本を買うお金があっていいね」、という声が聞こえてきそうですが、もちろん、厳しい財政状況の中での業務ですから、リストにあげている書物を次から次に購入していったというわけではありません。力を貸していただいたのは図書館です。

では、国際交流基金関西国際センター図書館の蔵書に看護や介護に関するものがあるのかというと、それもちがいます。みなさんは図書館に「ILL」というサービスがあるのをご存知でしょうか。ILLとは「Inter Library Loan」の略称で、「図書館間の資料相互利用」を意味します。関西国際センターの図書館にない書籍を、他の大学等の機関から借り出してもらうサービスです。この制度のお陰で、居ながらにして日本全国、津々浦々から貴重な資料をお借りすることができた、というわけです。

「借りられる」「買わなくてもいい」となると、これも読んでみたい、あれも調べておきたい、と欲が出てきます。私たちは次々とリクエストを重ねていきました。

「本が届いてますよ!」というお知らせを受けて図書館へ行くと、どっさりと書物が積み上げられています。それを両手で抱えて部屋に戻り、手分けしてチェックします。

「この本、よかったですよ、図もあるし。やっぱり視覚情報が必要ですよね。」

「タイトルから想像した内容と、ここに書いてあるのとでは、ちょっと違いますね。」

「介護の場面でのレクリエーションって、深いんですね。単なる余暇の過ごし方ではない。」

など、書物を手にしてみると、様々な情報が得られるだけでなく、これまで考えていなかった領域にまで導いてもらうことがあります。

  • 関連領域についての知識を得ることができる
  • 実際に書物を手にとってみることで、必要な語彙を収集することができる
  • 借りた書籍の分野に関連して、ほかにどんな文献を当たるべきかを判断する材料が得られる
  • より精密にデータを取る必要がある場合は、(予算に応じて)書籍購入を計画することができる

実際に資料を手にすることで、このプロジェクトで必要とする領域は何なのか、そこでどのようなことばが必要なのか、ということを具体的に検討し、判断するための指標が、私たちの間に徐々にできていきました。

図書館の司書の方々には、そのほかにも情報収集についてよくアドバイスをもらいました。浜口美由紀さんはその代表です。私たちが取り組んでいるプロジェクトの性質を知っていただいて、「こんな資料がありますよ」と、関連する書物の情報を教えてくださるのです。もちろん、インターネットでの情報もそれに加わります。

開発室の大事なナビゲータの一人、「日本語でケアナビ」を支えてくれた専門司書のプロの目と手に感謝です。

2008.01.25 15:10 - うえだ

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