こちら「日本語でケアナビ」開発室

2008年3月のシンポジウムの詳細が決定!

しもやん

「使える」データベースへの挑戦

業界用語って難しい

病院で使う言葉って・・・?

「ワンバーガー、プリーズ!」・・・「サンキュー」
「バーガー、アップ!」・・・「サンキュー」

これは私が学生時代、アルバイトをしていた
あるファーストフード店での店員同士の会話です。

「ハンバーガー1個、お願い!」・・・「はいよー」
「ハンバーガーできたよ!」・・・「はーい」

という何のことはない、注文を厨房に通すときに使われる、
マニュアル通りの台詞なんですが。

こんな感じで、その職場によって、
独自の用語が使われていることだと思います。
特に、医療現場のことばなどは専門的だし、
病気の名前なんかには、すごく長いものもありますよね。
「何とか性何たらかんたら症候群」みたいな。
それに、患者さんやその家族に聞かれてはいけないような
内容の会話もあるでしょう。
そういう時にはやっぱり、病院用語というか、
隠語のようなものを使っているんじゃないかと思ったんです。
「現場で使える」データベースを目指してきた私たちにとっては、
避けて通れない道です。

こうしたきっかけで作られたのが、以下の「略語・カタカナ語リスト」です。

正式名称とセットで作られた表

と言っても、このリストがデータベースに直接載せられた訳ではありません。
あくまでも、データ構築のための「脇役」的存在です。

これでいいのか、略語・カタカナ語

現場で使ってもらえるように、
略語・カタカナ語も盛り込んだ「日本語でケアナビ」ですが、
やっぱり医療関係者に見てもらわねば・・・ということになりました。
幸いにも、関西国際センターには、顧問医師の下村克郎先生がいらっしゃるので、
厚かましくも医療用語のチェックをお願いしたんです。
先生のご好意のお蔭で、今まで曖昧だった色々な点が
すっきりと整理されました!

ケアナビの中での略語・カタカナ語の扱い方についてももちろん、
アドバイスをいただきました。
中でも衝撃だったのが、
「略語や隠語などは、各病院や診療科によって
呼び方が様々なので、統一して載せるのは難しいから要らないのでは。」
ということでした。
・・・え?じゃあ今までの作業は??
一瞬、目の前が真っ暗になりましたが、気を取り直して
「現場ごとにギャップのなさそうな語彙を主に採用」という
万人受け(?)しそうな方法をとりました。

例えば、「オステオ」というカタカナ語があります。
これは、文献によって「骨髄炎」や「骨粗しょう症」など、
複数の意味が挙げられています。
これは、「osteo-」という英単語が「骨」を意味しているので、
「osteomyelitis(骨髄炎)」や「osteoporosis(骨粗しょう症)」の
どちらを略しても「オステオ」という言葉になってしまうからです。
「オステオ」がどちらの略語かは、開発メンバーにはわかりません。
もしかすると、病院によって、もっと他の呼び方があるのかも・・・

このようなことを考えると、無理に載せて誤解を招くよりも、
思い切って、紛らわしいものは削除してしまった方が
親切なんじゃないか?ということになったんです。

生まれ変わった「略語・カタカナ語」

下村先生に医師としての視点で見ていただいた訳ですが、
看護師と医師の使う言葉にも違いがあるということでした。
そこで、看護師の新垣(しんがき)智子さんにもう一度データを見ていただき、
看護師の間でよく使われることばを検討していただきました。

一般公開の後も、今まで「略語・カタカナ語」としていた部分を
再度見直し、他の提供の仕方をするべきなんじゃないかという
話し合いが度々行われていました。
その後、上のお二人の医療関係者の検証を通して、
開発チームでは1つの結論に至りました。
「『略語・カタカナ語』と言い切ってしまうのではなく、
『現場によってはこういう言い方もある』という付加的な情報として
提供する方が誤解や混乱が少ないだろう」
という意見に一致したんです。
そして、それまでの「略語・カタカナ語」というコンテンツが
新たな「サイトウさんに聞く」というものに生まれ変りました。
開発チームにとっては、かなり思い切った方向転換です。
「サイトウさん」は、現場で使われる用語やドイツ語起源のカタカナ語など、
役立つ豆知識を提供してくれるキャラクターです。

サイトウさんの表示

今のところ、ケアナビを使ってくださっている医療関係者の方が
あまりいらっしゃらないようなので、
専門用語に関するツッコミは受けていないのですが、
より正確な情報を提供していくためにも、
現場で実際に働いている方々からの声も聞きたいなぁと思っております。
ですので、お気づきのことがあれば、どんどんご意見をいただければ幸いです。
制作側と利用者側、みんなで作って良くしていく
「日本語でケアナビ」であってほしいと思う今日この頃です。

2008.04.10 12:04 - しもやん

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