「日本語でケアナビ」(そのときはまだこの名前は誕生していませんでした)プロジェクトの基本的な方針として描いていたことは
- 外国人の看護師や介護職の人々が日本で仕事をしていくために必要な日本語のコミュニケーション力をつけること
- その支援のためのリソースとなるものの提供すること
でした。
そこで、どんなことば表現が必要なのかを探さなければなりません。まずは、市販されている看護師教育のための英語教材から手がかりをえるべく、調査をはじめました。
看護師のための英語教材は、
- 現在、日本では病院を訪れる外国人患者が増えてきていること
- その際日本語でのコミュニケーションに困難を感じることがあること
- 日本人看護師も海外で働く可能性もあること
などの理由によって、看護師教育の中で用いられているとのことです。
それぞれの本には特色がありますが、いずれも
- 問診や診察など、医療・看護場面で用いられる表現
- 病気や診療に関する専門的な語彙
- 病院で働く人の役職名など、職場で用いる語彙
などが含まれます。英語のテキストとしてだけでなく、辞書的な機能を持つものもあります。
『New 看護のための英語・英会話』、川井麻美子・川井マリー著、MCメディカ出版(2003)
「外来」や「入院」などの場面での看護師の仕事と、そこでの表現や語彙が機能的にまとめられてあります。
『クリスティーンのやさしい看護英会話』、知念クリスティーン・上瀧真紀恵著、医学書院(2004)
英語のテキストらしさを備えている資料で、表現を定着させるための練習問題もあります。つい語学教師の目で見てしまいますが、イラストも楽しく、学習者の学習意欲をかきたてるようなデザインに魅力を感じました。
『ナースのための英会話1000』、石渡延男監修、ナースの外国語研究会編、桐書房(2001)
英語教材として内容のほかに、医療というものが、必ずしも万国共通といえるわけではなく、外国からの患者さんにとっては、日本人が考えているのとはちがう判断があることを、「医療費」「薬」「プライバシー」など、具体的な例を取り上げて紹介したコラムがあります。これは多言語、多文化を考える時には無視できない大切な視点です。
『ケアハンドブックシリーズ これで話せる!!実践 ベッドサイドの英会話』藤田敬一郎、中村順子、蔵元二三枝、西村美江、西川恵子、上村三津子著、(株)関西看護出版(1999)
基本動詞10~20語によって、看護場面の表現をシンプルな英語で表現する力を養うことを目指していることが特色に挙げられます。「簡単な表現で、確実な仕事を果たせるような語学力養成」は、私たちにとっても、目指すところです。
『外国人と日本人医師の臨床会話集8[フィリピン語編]』大西守・増茂尚志著、三修社(1992)
外国人患者が受診する場面を想定した資料で、会話例、語彙リストのほかに、社会制度の異なりに伴ったワンポイントアドバイスが加えられています。
これらの書籍は、看護英語関連教材のほんの一部です。そのほかにも数冊教材分析をし、私たちは
- 看護場面を割り出すこと
- 場面ごとの語彙や表現を取り出すこと
が作業として必要だと考えました。
2008.02.10 16:46 - うえだ


