こちら「日本語でケアナビ」開発室

2008年3月のシンポジウムの詳細が決定!

うえだ

日本語でケアナビの「いま」

録音しています

お盆を過ぎると、連日の猛暑からちょっと開放されたような感じです。まあ、このまま秋に入っていくとは思えませんが、泉南(国際交流基金関西国際センターがあるところ、大阪の泉州の南部で泉南です)あたりはまたじっとりとした暑さがぶり返すんじゃないでしょうか。

さて、この夏の「日本語でケアナビ」開発での大きなお仕事というと、「音声録音」です。公開から1年間、「日本語でケアナビ」に対する要望の中で多いのが、1.多言語化と、2.音声データの提供です。「クリックすると音声が聞こえるといいな」、というご意見をよくいただきました。

日本人にとってはごく普通の話しことば表現は、辞書や教科書に載っていないものも多く、学習者にとってかえって難しいと感じる場合があります。日本で学習する人は何かと日本語に触れていますが、海外で勉強している人は、日常的な日本語を直接耳にする機会はほとんどないでしょう。そのような学習者である「日本語でケアナビ」ユーザーが音声を耳にすることができれば、その日本語学習の助けになることはまちがいありません。

「日本語でケアナビ」にある声かけ表現、たとえば「私の肩につかまってください」という表現の場合、どのような場面で誰が誰に対して使うのかという情報とともに、音声を聞くことができれば、それを声に出して練習することも可能になるし、自然に発話を学ぶための動機付けにもなるかもしれません。

今、どの外国語を学習する人にとっても、Authenticなもの、つまりほんものに触れたい、聞きたい、話したい、というのが当然のようになっているような気がします。

「日本語でケアナビ」のコンテンツは専門性と同時にリアルな生活感あふれる日常性、が売り!のはず。ユーザーのみんながみんな介護の仕事をするわけではありませんが、「日本語でケアナビ」に登場する人物が交わしている日常表現、せめて音ではどんな感じになるのか聞いてみたいと思いますよね。

ちなみに、世界中で人気の高い日本製アニメも吹き替えじゃなくって「現地語字幕と日本語音声」、という組み合わせに人気があるようです。これ、日本で放送される韓国ドラマにも通じるものがあると思いますが、いかがでしょう・・・?

さて、「日本語でケアナビ」の音声の件、「日本語—インドネシア語版」の開発に伴い開発室で音声データを作成することになりました。とはいえ、8000項目以上の語彙と約4400の例文を一気に録音するとなると、大仕事です。そもそも一日にどのぐらいの分量の録音が可能なのか、やってみなければわかりません。

吹き込みをお願いしたのは、アナウンサーのキャリアを持つ日本語教師、笠松瑞子(かさまつ・みずこ)さんです。

事前に資料をお渡しする時、「ちょっと人前では声に出して言いにくい表現もありますけど、よろしく!」と手を合わせたところ、「大丈夫ですよ」と快く引き受けてくださいました。でも、やはりご苦労をかけているようです。たとえば、

  • アクセント辞典には載っていないことばが多いこと。⇒録音前の笠松さんの資料には入念な書き込みがあります。関西人の笠松さんですが、マイクの前に座ると別人のよう!さすがプロですね。それでもアクセントや無声化(関西人はこれが苦手!)など、何度もチェックしてくださっています。
  • 聞いたことのない専門用語のアクセントをどうする?⇒「経鼻カニューレ」とかあります、すみません。専門用語は現場の方に聞く以外はないのですが、アクセントまではね・・・
  • 「(お)菓子」「(ご)家族」のように、敬語の「(お)〜」「(ご)〜」の形で記載しているものを、どう読むべきか。⇒お金、お粥なんか、判断が難しいですよね。日本語って大変。例文があるものはそこでの用法にしたがうようにしましょう。
  • アクセントや発音は、単独で表れる「単語」と、それが「文章の中」で現れるときとで違ってしまう。⇒自然なかたちでお任せします。
  • 何といっても分量が多いこと。⇒お疲れ様です、ちょっとやすんでください。

こうやって、7月下旬から関西国際センターの録音室で「日本語でケアナビ」音声データ録音作業が始まりました。アシスタントのよっしー(新登場!)と笠松さんが録音室にこもって作業を進めるうちに、一日7時間に録音できる分量は500項目(そのうち約半分は語彙と例文の両方あります)という目安が見えてきました。連日は無理、一日おきで週3日までが限度のようです。

現在はちょうど折り返し地点。涼風が立つころにはほぼ終了する予定です。会話の部分では複数の声、特に男声が必要になりますし、全部が笠松さんの声というわけではありませんが、「日本語—インドネシア語版」では提供される日本語音声、来春の公開をどうぞお楽しみに。

2008.08.28 16:33 - うえだ

次は「ポケットブック、出版します。(1)」

このトピックの記事一覧へ

コメントする

このアイテムは閲覧専用です。コメントの投稿、投票はできません。