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たなか

日本語でケアナビの「いま」

ケア現場の日本語(2)

舞鶴の介護支援現場で働く、
フィリピン出身の原田マリアフェさんのインタビューの第2回目です。
前回は居宅介護支援事業所のサービス提供責任者の仕事に関する
日本語の運用について
専門用語や漢字の難しさと、
資料を作ったり読んだりすることの大変さについてお話しました。
今回は実際に利用者の家を訪問するヘルパーに必要な日本語についてです。

ヘルパーの日本語運用

原田さんも介護の仕事を始めた頃は、
利用者の家を訪問するヘルパーとして働いていました。
最初に問題となったのは、やはり書くことと読むことでした。
利用者とのコミュニケーションは、
周囲の人たちが一目おくほど上手な原田さん。
しかし、ヘルパーに必要な日本語は
利用者との口頭のコミュニケーションだけではありません。
その日の仕事に関して、記録を書かなければなりません。
そして、もちろん、それを読んできちんと理解しなければなりません。
これは、施設で働く場合も同じでしょう。

観察と業務の記録

記録には、利用者さんについての観察と、
何をしたかという業務の2つの内容があります。
原田さんの場合、
「掃除をしました」「買い物をしました」という業務は
それほどでもなかったのですが、
利用者さんの顔色や体調、様子を書く観察の部分は、難しかったそうです。
「記録は利用者の家族の人たちも読みます。
書いた文章が間違ったり、変だったりしていないか、
それが原因で、家族の人たちに信頼してもらえなくなったらどうしようか、
とても心配でした。
使うことばは難しくないのですが、
文章にするのが難しかったです」
と、原田さんは振り返ります。

引継ぎでのトラブル

また、記録は当然、同僚との連絡のためでもあります。
原田さんの知人で、施設に勤務するフィリピン人ヘルパーで、
記録による引継ぎで、トラブルになったことがあったそうです。
業務の連絡が上手く伝わらなかったことがあり、
日本人ヘルパーは記録に書いたと主張し、
フィリピン人ヘルパーは、どうして口頭でも伝えてくれないのかと
話したそうです。

はじめは敬語

原田さんが利用者の方に初めて会うときには、
敬語を使うようにしているそうです。
「信頼関係を作ることが一番大事ですから、
 最初の出会いはとても大切だと思います。
 だから、敬語を使うようにしています。
 だんだん、舞鶴弁で話したりするようになりますが」
原田さんの場合、地元での生活が長いので問題ないのですが、
方言が理解できるかどうか、少しでも使うことができるかどうかも、
仕事や人間関係を作っていくのに影響する場合もあるでしょう。

いろいろな日本語が必要

短い時間でしたが、原田さんに現場の話をうかがって改めて感じたのは、
いろいろな日本語の運用能力が必要だということです。
「話す・聞く」にしても、会議でのややフォーマルな発言や
利用者の方への敬語、方言などを理解して使えることが望まれます。
「読む・書く」にしても、会議の資料や記録があり、
専門用語をはじめとする漢字の問題や、利用者の様子の描写や業務内容を
読んで、文章化する能力も必要となります。
これらの日本語運用をどのようにサポートできるかということも、
今後、考えて行きたいと思います。

2008.02.18 13:35 - たなか

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