こちら「日本語でケアナビ」開発室

2008年3月のシンポジウムの詳細が決定!

たなか

日本語でケアナビの「いま」

ケア現場の日本語(1)

長いトンネルを抜けると雪国であった・・・。
1月25日、この冬一番と言われる寒気団が来る中、
京都府北部の舞鶴市へ行ってきました。
戦後の名曲「岸壁の母」の舞台になった舞鶴です(ちょっと古いでしょうか?)。
途中の丹波地方を通過中、
本当にトンネルを抜けたとたん、真っ白な銀世界になりました。
訪問の目的は、ここの居宅介護支援事業所で働く
原田マリアフェさんにお会いするためです。

写真:原田マリアフェさん
職場で机に向かう原田さん
原田さんはフィリピンから来日して20余年、8年ほど前からヘルパーとして働き始め、現在は居宅介護支援事業所にサービス提供責任者として勤務しています。また、3月8日(土)に関西国際センターで開かれるシンポジウムの「日本語でケアナビ」のパネルディスカッションのパネラーでもあります。
今回の訪問では、同僚の日本人ケア・マネージャーの方ともお話しすることができ、介護現場の状況やそこでの日本語の使用実態、そして、「日本語でケアナビ」への要望などを聞くことができました。その中から、ケアの現場でどんな日本語が使われているのかについて、2回に分けて報告したいと思います。

居宅介護支援のサービス責任者の仕事

介護の仕事と言っても、いろいろな仕事があります。
原田さんは居宅介護の援助計画を立てたり、
ヘルパーの人たちの仕事のスケジュールを組んだり、
ケア・カンファレンス(医者や家族など介護の関係者の会議)に出席したりと
いろいろな仕事をこなしています。
ときどきは、自分で利用者の家にヘルパーとして行くこともあるそうです。

やっぱり漢字が問題

そんな中で、日常会話は問題ない原田さんが、難しいと感じているのが
専門用語と日本語の読み書きです。
週に2回ぐらい出席するケア・カンファレンスでは、
いろいろな立場の人が出席し、
普段聞かないような、それぞれの専門用語が登場します。
介護関係のものは毎日使っているので問題ありませんが、
他分野のものは、聞きなれないものも少なくありません。
例えば病名。資料で配布される場合は、漢字ばかり並ぶ長いものも多く
読み方が難しかったり、意味を理解したりするのは大変です。
それから、資料や記録の作成と読解も大きな問題です。
漢字がずらりと並ぶ文章を読んで理解するのは、容易ではありません。

文章を書く難しさ

口頭では伝えられる内容でも、
それを文書にするとなると、簡単ではありません。
公的な文書なら、正確さもより必要でしょうし、なおさらです。
実際の介護支援の計画書の例を少し見せてもらったのですが、
会話にはあまり出てこないような硬い表現や
常用漢字の範囲に収まらない漢字も多く見受けられ、
一般的な日本人にとっても、難解な印象を与える部分がありました。

増える作成文書

特に最近、法令の改定などの影響もあり、作成する文書が増えたそうです。
原田さんの同僚の日本人ケア・マネージャーの方も、
「大量の文書作成に時間を取られてしまい、
ケア利用の依頼を受けたくても受けられないことがある」
と話しておられました。

原田さんの場合は、このような問題にぶつかった場合、
同僚にわからないことばを教えてもらったり、
書いた日本語をチェックしてもらったりしているそうです。
外国からの看護や介護の仕事をする人たちが来た場合、
周囲の日本人スタッフのサポートが大変重要になることを
改めて感じました。

2008.02.17 13:34 - たなか

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