こちら「日本語でケアナビ」開発室

2008年3月のシンポジウムの詳細が決定!

すなみ

ディレクター、かく思えり。

Webのプロが必ず正しいと思わないで

日常的に仕事でWebサイトを作っている人間、
いわゆるWebのプロという立場にいる人間は、
制作チームでは僕やシステム担当の加藤さんになります
(加藤さんは僕らの要望を全部システム化してくれた人です
「エコノシスシステム設計事務所」の代表を務めておられます)。

僕の場合、サイトのあるべき姿を提案するような立場ですから、
基本的に僕の指示に他のメンバーが従う形で制作は進みます。
僕はプロとして様々な知識や経験を総動員して発言しますが、
必ずしも僕の言うことが最適であるとは限りません。
現状を見誤って間違った判断をする可能性もあります。

間違った選択肢をできるだけ選ばないようにすること。
判断が間違っていたことにできるだけ早く気付くこと。
そのために必要なことは何でしょう。

いろんな解答があると思いますが、
僕が心がけたのは「自分で決めない、みんなに決めてもらう」です。

例えば、何か判断に迷うことが起きたとします。

まず「何が問題なのか」を把握できるように情報を整理します。
Webの技術的な問題や制約が絡んでいる場合もありますから、
僕が専門的な話をかみ砕いて説明することも多いです。

次に、その解決策として考えられることを複数提示します。
ここで大事なのが「複数」提示するということです。
Webのプロが考えそうなことだけでなく、
他の制作メンバーが考えそうなことも含めて、いくつかを。
もちろん、それぞれの策の長所や短所も添えます。

また、他のメンバーが出したアイディアも並べていきます。
他のメンバーが自由に解決策を発想できるように、
最初にこちらから策を出しすぎないことも大切です。

そして、それらをみんなが理解したうえで
私だけでなく、みんなで解決策を決めるのです。

こうやって書くと単純なことのように見えますが、
常に「選べるだけの選択肢を用意する」ことは結構大変です。

僕自身がそう思うのですが、典型的な事例だとか
Web制作のセオリーみたいなことに出会った場合、
「これはこうです」と一言で片づけてしまいがちなものです。

でもそれでは、それが本当に最適な解なのかの検討が不十分です。
他の制作メンバーにとって「なぜその解なのか」が理解しにくく、
判断の根拠が曖昧なまま決まってしまう可能性があります。
そして、後でそれが間違った判断だとされる可能性も高くなります。

また「Webのプロが言うんだから従っておけばよい」と思われたり
「Webに詳しくない自分の意見は取るに足らないものだろう」と
制作メンバーが思い込んでしまい遠慮して発言しない、
ということもあるように思います。

そういう状況の中で判断してしまうと、
Webのプロの視界の外にある問題を見過ごすことになり、
結果大きな失敗につながることがあります。

僕自身も日本語教師歴がありますので、
コンテンツに関してはそれなりに理解が深いと思っていますが、
誰よりもコンテンツについて深く考え悩んできたのは
常日頃データと格闘している制作メンバーの人たちです。
僕が見えない大切な何かに感づいていることも多いはずです。

お互いがお互いの専門性を尊重し、
冷静にいっしょに解を探していく試み。
これこそが「日本語でケアナビ」の質を高めるための
重要なプロセスだったと感じています。

2007.11.05 09:50 - すなみ

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