こちら「日本語でケアナビ」開発室

2008年3月のシンポジウムの詳細が決定!

すなみ

ディレクター、かく思えり。

おかしな箱を作らないために

前回、箱のデザインは中身を深く理解していないとできない、
ということをちらっと書きました。今日はその話をもう少し。

ここでいう中身とは、ことばのデータベースのことで、
僕が参加する前の1年をかけて、データベース制作メンバーが
ある程度充実したものを作り上げていました。
これをどんな箱に収めるかを考えるわけですが、
箱作りというのは、いわゆる見た目の話だけではありません。

同じコンテンツ(中身)を書籍にする場合だとどうでしょうか。
本の大きさ、厚さ、紙質、索引、レイアウト、色遣い、字の大きさ、
いろんなデザインの要素がありますよね。
サイトも同じで、色、形、動き、配置、画面の流れ、感触などが
見やすさ、使いやすさ、印象などを左右する要素になります。
こうしたことを考えて決めていくのがデザインです。

最初に、上田さんからデータベースを見せてもらいました。
Excelのシートにびっしりと書き込まれたものを見て、
どんな項目、どんな言葉が取り上げられているかを確認。

次に、なぜこのデータベースを作ったのか、
その背景を細かく聞いていきました。
動機や目的は何か。誰にどんなふうに使ってもらいたいのか。
どんな結果になれば誰がハッピーなのか。

さらに、データベースをここまで作るのにどんな苦労があったのか、
それもできるだけたくさん聞きました。
そこに関係者の思いや問題意識が読み取れるからです。
また、制作メンバーの1年間の作業ペースを知ることにより、
これから公開までどんな形で進めていくのが適切なのか、
そのプランを立てるための情報も得ることができます。

こうしたことを最初に聞き取ることは、とても重要です。
情報を少しでも多く正確に把握しておくことで、
自分のアイディアと制作チームの思いとのギャップが生じるのを
回避できる可能性が高まるからです。

聞き取りは、ヒアリングシートを用意して代表者に質問する、
という形式も良いのですが(一般的にはそうなるのでしょうが)
このプロジェクトではちょっと違いました。
制作メンバーが少数だったということもあって、
全員と時間をかけながら少しずつ、

青写真を描きはじめてからもたびたび話を聞くようにしたのです。
時間をかけて聞けばいろいろ出てくるものですし、
話す側も「何を伝えておくべきか」がわかってきます。

こうしたことは時間との相談という部分もあるので、
全てのケースで常にできるわけではないでしょう。
でも、コンテンツの事情を十分理解しないままデザインすると
中身と合わない「おかしな箱」ができあがります。
そして「おかしな箱」は中身もダメにしてしまいます。

適切な箱を作るためにはコミュニケーションが大切。
制作チームに途中から参加することになった僕は、
ひとつでも多くの共通理解を得ていく必要があります。

このプロジェクトでは、
制作メンバーとの意思疎通にある程度時間を割けたのと
僕が「日本語教育関係者」という属性を持っていたことで
制作チームと高い共通理解をもって進めていけたと思います。
そしてそれが、サイトに良い形で反映されている気がします。

2007.10.10 11:04 - すなみ

次は「やってみなければわからない」

このトピックの記事一覧へ

コメントする