こちら「日本語でケアナビ」開発室

2008年3月のシンポジウムの詳細が決定!

すなみ

ディレクター、かく思えり。

間に合わせることも大切

このトピックで僕がこれまで書いてきた記事
「自分が実感することの大切さ」や
「Webのプロが必ず正しいと思わないで」では、
作業の効率より開発メンバーの理解を優先することが
より重要だという話をしてきたかと思います。
どちらかというと「時間をかける」やり方ですね。

基本的にはその方針で開発を進めるのですが、
時には締め切り優先、質より間に合わせることが大切、
という判断をする局面もあります。
決められた時間でやることも大事だということです。

プロジェクトの初期の段階から、
「日本語でケアナビ」のリリースは2006年度中に
という方針が決められていました。
これは2007年4月に一般公開という意味ではなく、
外部の関係者もデータベースの内容の検証ができるよう
サイトが稼働した状態にするのが4月という意味です
(その後7月に広報を開始し一般公開を始めました)。

しかし、開発メンバーは超少人数。
開発経験がほとんどないメンバーとは思えないくらいの
ハイスピードで作業は進んではいたのですが、
様々な問題に直面し想像以上の苦労をし、
年が明けてからの残り3ヶ月は一刻の余裕もない日々。

特に大変だったタグ付け作業(近々詳しくお話します)は、
その質がサイトの使い勝手を大きく左右するうえ、
開発メンバーの日本語教育のプロとしてのこだわりが
ストレートに反映される作業でもあります。
タグを付けて、テストして、考えて、イチから付け直す。
試行錯誤で確実にその質は高まっていくものの、
それにかかる作業時間は相当なものでした。

このペースで試行錯誤を繰り返していては間に合わない。
そう感じた僕は、ある時その作業のうち止めを提案しました。
このあたりで質の向上をいったんやめにしよう、と。
この提案は、「少しでも良いものを作りたい」という
開発メンバーのモチベーションを削ぐものでもあります。
みんな頭の中では「締め切りが迫っている」と理解しつつも、
やはり残念な気持ちが顔に出ていたように感じました。
僕としても非常に苦しい決断でした。

僕の経験では、一般に教育現場での
(特に比較的小さな)プロジェクトでは
様々な都合でプロジェクトが延び延びになることも
珍しくないのではないかと思います。
ショッピングサイトのようなサービスと違って、
公開の遅れが経済的損失に直結することが少ないから、
という部分があるからかもしれません。

しかし、形は違っても遅れは損失には違いありません。
そのプロジェクトが期日に終わらないことで、
コストがかさんだり人の確保が難しくなったりして、
プロジェクトの運営が難しくなることが考えられます。
またプロジェクトには勢いというのも大切で、
それが失われることで質が低下することもあります。
時間の余裕が出れば質が向上する、と
必ずしも言えないところが難しいところ。
様々な要素を含めて総合的に考えると、
たとえ関係者が延期の提案をしてくれたとしても
僕はスケジュールは変えるべきではないと思っていました。

結局、なんとか予定の期日に稼働状態となりました。
間に合ったことで、その後の検証作業や修正も予定通り、
また広報活動にもスムーズに移行できました。
逆にあの時延長をしていたら、メンバーの集中力は途切れ、
サイトの品質は落ち、公開もさらに遅れたのではないか、
と僕は個人的に思っています。

こうした大きな枠での判断を誰がするのかは、
プロジェクトの性質や規模によって変わってきますが、
誰かが冷静に分析して決断することが必要です。
プロジェクトリーダー、あるいはプロジェクトマネージャーと
呼ばれる人たちが必要なひとつの理由です。

現場を殺伐とした空気にさせた、追い込みのあの時期も
とりあえず今のこの結果につながったということで
今は笑い話として語れるところがあります
(と思ってるのは僕だけ、じゃないと良いのですが)。

2007.12.08 13:38 - すなみ

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