「日本語でケアナビ」開発プロジェクトが発足した当初、実は「日本語でケアナビ」という名前はまだ生まれていませんでした。
どのようにして「日本語でケアナビ」が誕生したのか、このプロジェクト開発から公開にかけての足掛け3年の旅をざっとながめてみましょう。
1年目:基本データベース作成
2005年4月に国際交流基金関西国際センターにおいて、「看護・介護のための日本語教育支援データベース」開発調査が始まりました。
- ブレーンストーミング
- まずはブレーンストーミング。開発チームのメンバーで、といってもはじめは2~3人の最小限の人員でしたが、とにかくよく話しました。
関西国際センターの図書館を通じて、日本全国の図書館から資料を集めては読み漁り、どんなデータベースにするのか、概念をつくりました。
中心になったのは「ケアのことば」「病院のことば」そして、上司・同僚と話すときに必要な「職場のことば」です。 - 収集→分析→場面確定
- 次に、文献からデータとなることばを取り出し、それを分析してことばが使われる場面を割り出していきます。
この「データ収集→分析→個別場面の確定」、さらに「その場面に必要なデータの収集」いうサイクルを、何度も何度もくり返しました。
「作ってはこわし、こわしては作り」です。
データを集め終えたとき、同時にことばを使う場面もほぼ確定できました。

- 語彙の収集の話は、トピック「『使える』データベースへの挑戦」で詳しく書いています。
- 例文づくりとデータ英訳
- ある程度場面が確定したら、その場面に属することばの一つ一つに例文を施します。
例文は現実的で、しかも、できるだけシンプルな文をめざしました。
これがなかなか難しく、何度も作りなおさなければなりませんでした。
そして、それら全データの英訳を外部団体に依頼し、「英文翻訳データ」が作成されました。

- 例文作りに興味をもたれた方は、トピック「シンプルで使える!な例文作り」へどうぞ。
こうしてできたのが「基本データベース」です。
「看護・介護のための日本語教育支援データベース」と呼んでいす。
どのようにデータベースを作成するかという「データベース作成方針」は、プロジェクトに着手する前にあったわけではありません。
開発のプロセスを通じた試行錯誤の中で、形作られていきました。
以上の作業の詳細は『看護・介護のための日本語教育支援データベースー調査開発報告書―』(国際交流基金関西国際センター、2006)、「『看護・介護のための日本語教育支援データベース』開発調査をめぐって」(上田和子、2007、『国際交流基金日本語教育紀要』第3号)にあります。
2007.10.07 11:09 - うえだ


