表記ゆれ対応と同じ方法を使えば、
日本語学習者によくある、促音が抜けてしまう形
「kitte(切手)」を「kite」と入力してしまう場合に
対応することも理論的には可能だといえます。
具体的には、
データベースに「kitte」の他に「kite」を入れておく、
フィルタで「tt」を「t」に変換する、とすればいいわけです。
しかし、これも前回までの話と同様に
不適切な検索結果がたくさん表示される可能性にも
つながってくるわけです。
開発メンバーの話し合いで、
今回はこうした対応は見送られましたが、
促音の問題については別の理由もありました。
それは「綴り違いと誤りは同じではない」ということです。
「shi」か「si」か、は表記ゆれの問題ですが
「kite」は「kitte」の表記違いではなく
促音を表記し損ねた「誤り」だと考えて、
対応しないという結論になりました。
例えば、ユーザーが「kite」と入力したときに
「切手」の他に「着て」とか「来て」とかいった言葉が
検索結果として並ぶ*ことになります。
このように、なぜそんな候補が出てくるのかわからない言葉を
表示するのは、利用者(学習者)の誤解を生むかもしれません。
ケアナビが教科書的な役割も担う可能性がある以上
誤りを表示するのは極力避けたい、という判断です。
利用者が入力した文字そのものだけを探すのではなく。
あらかじめパターンを想定して検索範囲を広げるという意味では
「shiとsi」の問題も「kitteとkite」の問題も
サイトのシステム側での対処は全く同じことになります。
しかし、ケアナビは学習者のためのもの、と考えると
前者には対応し、後者には対応しないという判断になるのです。
開発メンバーの議論の過程を見て思うのは、
それぞれがウェブの技術的な部分を学びつつも、
何を作るべきかという視点がぶれることはなかった、
ということです。
「技術的にできることは何か」に目が行ってしまい、
「サービスとして提供すべきことは何か」を十分考えきれずに
結果として利用者に受け入れられないものを作ってしまう、
ということはよくあるのです。
ここまで「表記ゆれ」の問題について
7回にわたってお送りしてきました。
いかがでしたでしょうか。
僕たちが選んだ「表記ゆれ」対策が、
利用者にとってどの程度メリットがあるものなのか、
あるいはどんなデメリットを感じさせるものなのか、
それは公開後に調べていかなければならない部分です。
みなさんも、ぜひ日本語でケアナビを使っていただき、
この表記ゆれの処理にどのような印象をもたれたか
フィードバックを送っていただけるとうれしいです。
*記事中では話をわかりやすくするためにこうした例を挙げましたが、実際の「日本語でケアナビ」のデータベースには、「着て」や「来て」というようなことばは収録されていません。
2007.12.23 10:17 - すなみ


